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『新テニスの王子様 氷帝vs立海 Game of Future』
許斐先生×諏訪部順一さん×永井幸子さん

座談会のようす

原作/許斐剛
跡部景吾役/諏訪部順一
幸村精市役/永井幸子

『新テニスの王子様 氷帝vs立海 Game of Future』前篇を観て

許斐終始泣けるというか、名シーン、名ゼリフが盛りだくさんでした。制作中に「ここはこういう風に指示を出したな」とか、脚本を見せていただいたときになにか印象に残る台詞が欲しいなと思い、跡部に「俺様の球出しに酔いな!」って言わせなきゃ面白くないと提案したとか、そういうことも思い出しましたね。宍戸が柳生に「ダブルスパートナーは、いつまでも自分の心の中にいるからな」と言うシーンも、仁王がいなくなっているので絶対に入れていただきたい演出でした。どの試合も熱くて、本当に観ているだけで泣きそうになりました。

諏訪部今回、事前に素材をいただいて自宅で視聴済みだったのですが、上映イベントの舞台挨拶のあと、劇場の客席でも観させていただきました。やはり映画館のスクリーンで観ると感慨深いものがありました。今回は氷帝と立海をフィーチャーしたストーリーだったわけですが、今までなかなか勝ちに恵まれていなかったヤツらが勝利する胸熱な展開もありましたね。忍足と向日のダブルスとか。

許斐忍足と向日を組ませて、絶対に勝たせたいっていうのは私のこだわりで、アニメのスタッフ陣に提案させていただいたところでした。ファンの皆さんからリクエストが多かったというのもありますが、個人的にも最後にこの試合に出して勝たせてあげたいという思いがあったんですよ。でも最初の脚本だとじつは負けていたんです。確かに対戦相手によっては、忍足と向日が勝つのは実力的に不自然になる場合もあります。だから、こういう組み合わせで勝敗はこうなりますが両方のペアにストーリーを作っていただきたいんですと、スタッフのみなさんに理解してもらう必要がありました。それが反映されて、どちらのペアも勝ち負けだけでは語れないエピソードを描いていただいていいものになったのは良かったです。

諏訪部氷帝は強豪校扱いではありますが、実は全体的に勝利とは縁遠い印象ですよね(苦笑)。

許斐氷帝も立海も強豪校で人気も高いというイメージがあるので、アニメのスタッフさんたちはどうしても同じレベルで戦わせようとするんです。でも私の感覚では、そこは違っていて、立海は“ものすごく強い”んです。だから今回の氷帝は、チャレンジャーとして向かっていかないと戦えないんだと、何度か説明させていただきましたね。

諏訪部この2校のみということであれば、氷帝は間違いなくチャレンジャーですよね。立海の方が結果を出している感がありますから。

幸村精市役/永井幸子

永井その立海も青学には勝っていないんですけどね(笑)。

許斐今回は、とにかく強い立海に氷帝が挑んでいく…という形ですが、跡部が余裕のある雰囲気なので、互角に見えているところもあるのかなと思います。

諏訪部(笑)。そういえば、宍戸も今回、勝ちを拾えました。

許斐宍戸はこれまでダブルスとして鳳と一緒に出ることが多かったので、今回は“その先”の彼らや、宍戸が背中で語るメッセージみたいなものを伝えたかった、というのがあります。ブン太に関しても、ジャッカルと組ませてほしいというファンの声は多いのですが、今回はブン太が後輩を育てる形にしようと。彼が先輩っぽいところを出して、次代の玉川につないでいく。それをジャッカルが見守っている形にしたかったんですよね。

諏訪部ジャッカルはチームの今後のため、後輩に経験を積ませるべく席を譲ったんですね。

許斐もうダブルス1の勝敗は明かされていますけど、逆にブン太とジャッカルのペアで負けるほうが、ファンも嫌じゃないかと思うんですよね。少なくとも私は嫌でした(笑)。そういう思いもありましたね。

諏訪部すごい裏話が続々と(笑)。

対談のようす

永井ジャッカルの描かれ方はとても印象的でしたね。いつも「王者立海」や「常勝」と言っている立海ですけれど、関東大会でも全国大会でも結果的には負けているので「来年は王者ではなく、挑戦者だ」と。あのセリフは、今まで誰も口にしてこなかったものだなと思いました。それをジャッカルが言うということが、なんだかすごくドラマチックでした。

許斐「王者立海」っていうのが彼らの枕詞みたいになっちゃっているけど、じつは違うんだと。ジャッカルは、いい役回りをしていたと思います

諏訪部対する氷帝も強豪校感を出していますが、今年度(笑)の成績は都大会5位、関東大会一回戦敗退なんですけどね(苦笑)。今回観ていて感じたのは、跡部はコーチング能力がすごく高いなと。声かけが絶妙というか、まわりを鼓舞する能力が優れていますね。試合中、折れそうな選手のハートに絶妙のアシストで再点火しているところは、観ていてさすがだなと思いました。

許斐アドバイスの仕方に、ちゃんと跡部らしさが出ている感じでね。

諏訪部MC力とコーチングスキルはテニプリ界ナンバーワンなのではないですか(笑)。